JR水郡線全線再開をPEST分析してみる。
水郡線全線再開のニュースに触れて
3月27日に日本経済新聞のWebサイトで報道された通り、福島県の郡山駅と茨城県の水戸駅を結ぶ水郡線が全線再開されました。 www.nikkei.com 私個人として故郷への帰省で利用するローカル線なので全線再開は非常に喜ばしいです。JR各社によって不採算路線、いわゆる赤字路線は大きな問題ですので今回の全線再開の裏でどのような経営判断があったのか勝手に相談したいと思います。
そもそも水郡線って儲かっているのか?
JR東日本がおもしろいデータを公開してくれていて、以下のページから路線別ご利用状況
なるデータを取得できて、路線毎の旅客運輸収入(百万円/年)を参照できます。収入のデータだけではなく支出のデータもなければ赤字かどうかは判断できませんが、同じ資料に営業キロ(km)も記載されていたので旅客運輸収入÷営業キロ=百万円/年/kmを計算して路線のコスパで比較してみます。
路線 | 旅客運輸収入 | 営業キロ | コスパ |
---|---|---|---|
水郡線 | 677 | 147.0 | 4.61 |
磐越西線 | 1,130 | 175.6 | 6.44 |
磐越東線 | 337 | 85.6 | 3.94 |
烏山線 | 81 | 20.4 | 3.97 |
只見線 | 135 | 135.2 | 1.00 |
路線を維持するコストは営業キロだけでなく運行本数も考慮する必要があると思いますし、そもそも私は鉄道にあまり詳しくないので合理的な比較方法なのかどうか怪しいですが、水郡線は磐越西線よりは悪く、磐越東線や烏山線よりは良いという結果になりました。 磐越西線は郡山市と新潟県新津市を結んでいますが、新津市の先には新潟市があるので南東北と信越地方の大都市を結んでいる路線です。それもあってコスパが良いのかもしれません。
コスパだけを見ると奥会津を走る只見線の方がかなり悪いので、すぐさま廃線論議の俎上に乗る路線ではないと思われますが、SLを運行したり風光明媚な景観が有名な只見線のように観光資源的な価値は大きくないので、安泰ではないと思われます。
やはり全線再開までには廃線や一部区間を運行停止などの議論があったのではないかと想像して、次回以降、背景を勝手に分析してみます。